sekiwataruの日記

Ph.D(filosofia)のソリロキア

マルクス

【論考】若きマルクスと「存在論的証明」批判ー予備的考察ーアンセルムスの場合・第2回

※アンセルムスの第2回、続きです。 前回、考察しようとは思っていたのですが資料がなくてそのままにしていた問いが残っています。それは、何故アンセルムスは神の規定として「より大きいものを考えることができることのない何か」という言表を選んだのか、と…

【翻訳】マルクス「学位論文」より補遺・注9、1841年。

以下は、マルクスの学位論文『デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の差異』より「補遺」の原注の(9)の訳出です。邦訳も既にありますー以下で挙げていますーが、これからブログ記事にしようと思っている「神の現存在についての存在論的証明」をマル…

【論考】初期マルクスによる阿片としての宗教ー第6回

※第6回、続きです。今回が最終回です。(続き) 前回は、途中でスマホの充電がなくなりそうだったので妙な所で切り上げましたが、その続きとして、もう一度、ニーチェさん本人のテキストに戻って見てみましょうーテキストは前回に掲載してありますー。 テキス…

【論考】初期マルクスによる阿片としての宗教ー第5回

※第5回です。公開した後でも、ちょっと手を入れて修正します、すいません。今回の話が長くなりましたので、あともう一回だけやります。結びにかえて、マルクス宗教批判の射程 今まで、「宗教は民衆の阿片である」というマルクスの宗教批判を巡って、「マルク…

【論考】初期マルクスによる阿片としての宗教ー第4回

※第4回、続きです。とりとめない文章ですいません。寒い日が続きますのでお体にはお気をつけて。諸事情により無駄な読書をしていましたが何の役にも立ちそうもなく、まぁそういうこともありますなと気分を変えて、以下でマルクスについて考えていきたいと思…

【論考】初期マルクスによる阿片としての宗教ー第3回

※第3回、続きです。前回、前々回は文献サーヴェイが主でしたが、今回は思いつくままに文章を書いています。話があちこち飛んですいません。あと、暖房の節約生活をしているので手が悴んで誤字脱字がいつもより3割増しになっています、重ね重ねすいません。3…

【論考】初期マルクスによる阿片としての宗教ー第2回

※第2回、続きです。2、「宗教は阿片」をめぐる解釈 以下で見ていくことにしますが、マルクス主義を自認する方々の中でも良質的な人々でさえ、いや、というよりも良質的な人々の方が、「マルクスは宗教を良い人と言っている」という解釈へ向かう場合がありま…

【論考】初期マルクスによる阿片としての宗教ー第1回

※只の研究ノートとして某国営放送でやっている『刑事コロンボ』を観ながら軽い気持ちで書き初めてみたら、ちょっと長くなりそうなので何回かに区分しながら綴っていきたいと思います。一応、文献なども文中で紹介はしていますが、論文ではないので脚注の類い…

【翻訳】マルクス「キリストと信徒との合一」その2。

※マルクスの宗教科課題作文「キリストと信徒との合一」についての「その2」です。凡例等は「その1」をご覧下さい。(451s) そうして、この無制約的な合一は必然的であるという確信に満たされて、我々は以下のことを探求することを熱望している。この気高い贈…

【翻訳】マルクス「キリストと信徒との合一」宗教科課題作文、1835年、その1。

※以下は、マルクスが1835年にギムナジウムの卒業課題として書いた宗教科作文である「キリストと信徒との合一 ヨハネ15章1-14節での、その根拠と本質、無制約な必然性とその効験の論述」の翻訳です。底本は、Karl Marx Friedrich Engels Gesamtausgabe, Erste…

【書評・再録】Karl Marx Das Reich Der Freiheit, herausgegeben von Kurt Lhotzky, Anaconda, 2018

※以下は、Amazonレビューに2020年12月3日付けで掲載されたものの再録です。 本書は、マルクスの生涯に渡る著述活動の中で「自由」を語る場面を年代順に掲載したアンソロジーとなっています。マルクスの主要著作からは勿論のこと、ジャーナリスティックな論考…

【書評】廣松渉『青年マルクス論』平凡社1980年

著名な哲学者による若い頃のマルクスについての論述です。手元にあるのは、平凡社刊の1980年発行の初版5刷ですので、最新版とは細かい所で差異があるかもしれませんが引用はそこからしてます、すいません。本書は詳細な資料により、若いマルクスの思想を提示…